バガボンド 28

バガボンド(28)(モーニングKC)

バガボンド(28)(モーニングKC)

冒頭、辻風黄平と佐々木小次郎の対峙のシーンが見れて嬉しかった。
時系列的には随分前の話だが、短い中にも言葉なく切りあうこのシーンが、場面転換としていい効果になっている。
また、七十人斬りという果てしない闘いのあと、一転した本巻の静かな時間の流れは、前の巻が"動"の巻であっただけに、かえってあの七十人斬りの凄まじさの余韻を残す。
武蔵の治療にあたるおつう、武蔵に剣を捨てさせる決断をせまる沢庵、武蔵と自分を比較し続ける又八、武蔵の噂に武者震いする剣豪たちなど、武蔵を軸にした人間模様が展開する。


半年ぐらい待つことになるから、忘れたころに出てくる、でも30分で読んでしまうので、又半年待つのが辛い・・・。
NHK大河ドラマ宮本武蔵も最後まで見るくらい宮本武蔵や竜馬のファンなんです。
2010年の竜馬伝はもう今から楽しみで…福山でよかった。


それにしてもこの役人、70人を斬った者を捕まえに8人で来るとはあきれる。
小次郎と辻風黄平とのからみ、又八の語り、全国を駆け巡る武蔵の噂に反応するつわものたちなど前巻までとはうって変わっての展開の早さ。
ドラマチックで引き込まれる。




切って切って切ってばかりの話がかなり多かった最近だけれど、この巻はほっとする。
油断すると涙が出ちゃう1冊だと思う。
バガボンドが大好きな人は油断しなくてもホロリといくかも。
でも、そんなのも最後でふっとんじゃうけど。